006.学校の温熱環境とエネルギー消費の実態調査
調査の概要
学校校舎のエコ改修推進のため、H24年度より文部科学省においてスーパーエコスクール実証事業(ゼロエネルギーを目指す改修事業)が開始されました。しかし、学校のエネルギー消費量についての詳細な実態調査の例は多くありません。そこで、スーパーエコスクール実証事業に選定された3つの学校において、エネルギー消費実態と校舎の温熱環境調査を行いました。
※スーパーエコスクール実証事業についての詳細は下記をご参照ください。
主な調査内容
温熱環境およびエネルギー消費量の実測調査
各学校に温湿度計や電力計などの計測機器を設置し、教室内の空気温度や、各教室の照明・コンセント、空調、体育館の照明、校庭の照明などの電力を測定しました。給食や冷暖房にガスを使用している学校では、ガスメーターにガス流量検出器を設置し、使用量を把握しました。
温熱環境の実測データ分析
冬期における温熱環境の実測データを分析したところ、ある学校では校舎と渡り廊下の間のドアが開放されているため、教室の温度が低くなっていることがわかりました。また、外気温度が低くても十分暖房ができていない教室があること、暖房ができていても6℃以上の上下温度差があることなどが確認できました。
エネルギーの実測データ分析
電力の実測データを分析したところ、学校が運用していない深夜から早朝にかけての時間帯の平均電力(ベース電力)が比較的大きく、教室内の様々な電化製品やトイレの暖房便座などに電力を消費していることがわかりました。また、教室に設置されている空調設備の待機電力や、寒冷地の学校では凍結防止ヒーターにも大きな電力を消費していました。
実測データに基づく改善手法の提案
実測データの分析結果に基づいて問題点を整理し、冬期は渡り廊下のドアを閉めるなど運用の見直しが必要であること、空調機器の待機電力、夜間の教室内の電化製品や暖房便座の電力など、無駄な電力を削減するための備えが必要であること、などの具体的な改善手法の提案を行いました。