009.高校及び中学校のエネルギー使用実態調査
調査の概要
首都圏に立地する効率の中高一貫校のエネルギー調査と運用実態調査を行い、運用改善の提案を行うとともに、運用改善の支援を行いました。
主な調査内容
エネルギー消費量の実測調査
CASBEE Sランクを取得している中高一貫校について、エネルギー消費量調査を2015年11月~2016年10月の1年間行いました。用途ごと(暖房、冷房、照明・コンセント、換気、体育館照明等)にエネルギー消費量を把握するために、キュービクルや分電盤には電力計を、ガスメーターにはパルスロガーを設置し(計150ポイント)、測定を行いました。
エネルギーの実測データ分析
エネルギー消費量は673MJ/m2で、そのうち暖房が23%、冷房が13%を占め、空調によるエネルギー消費量が大きいことを確認しました。また、換気(外調機、排風機)は13%を占め、換気による電力も少なくないことを把握しました。
運用の改善の提案と実施
1年間の測定データを学校に示し、下記の項目の設定を変更して、運用してもらいました。方法としては、1週間の試行期間を設けた後、アンケートを行いその後も実施できる項目について、改善した運用を継続してもらいました。
- 暖房のリセット温度(集中リモコン)の変更
- 教室の換気ファンの不在時停止
- 体育館LED照明の出力を83%に変更
- 教室の照明の明るさに応じてた点灯
その結果、1日当たりのエネルギー消費量は、20%程度削減できました。
また、実測結果を元に、1.~2.の運用を1年間継続した場合の試算を行ったところ、エネルギー消費量は年間で16%削減となり、100MJ/(m2・年)以上の削減が可能になると推定されました。効率のよい機器を導入することも大事ですが、適切な運用が重要であることが確認できました。