[その2]電気ポットの電力量を把握セヨ!
毎日あったかいお茶が飲めるのもこの電気ポットのおかげ・・・ということで、コーヒーの次は電気ポットの電力をはかってみます。
佐藤エネルギーリサーチのオフィスでは、毎朝2Lの電気ポットに水をいれ、沸騰させたあと80℃で保温するように設定しています。
はたしてどれくらい電力を消費しているのか・・・?
実験条件
電気ポットの仕様 |
電気魔法びん 容量: 2.2L 電源: 100V 50/60Hz 消費電力: 905W(湯沸かし時) 大きさ: 幅22.5×奥行31×高さ25.5cm |
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保温設定 | 沸騰後は80℃で保温 |
測定開始!!
電気ポットに水を入れ・・・
コンセントをつなげば湯沸しスタート!
「沸騰中」のランプが点灯します。
だいたい14分で沸騰完了。
すてきなメロディー(?)で沸騰をお知らせしてくれます。
ポット本体の温度表示は100℃になってますね。
測定結果は・・・!?
ここまでの電力消費量は、こんな感じです↓(測定日:2011年5月12日)
青が消費電力(左軸)、赤が電力消費量(右軸)のグラフです。
沸騰時の消費電力はだいたい970Wで、1回の沸騰に必要な電力消費量は約230Whでした。
なんだかすごく大きい気がしますが、こんなものでしょうね。
沸騰に必要な熱量は?
ではここで、約15℃の水2L(0.002m3)を100℃にするのに必要な熱量を計算してみます。
熱量[J(ジュール)]=体積[m3]×比熱[J/kg・K]×密度[kg/m3]×温度差[K]
なので、水の比熱を4218J/kg・K、密度を1000kg/m3とすると、
0.002[m3]×4218[J/kg・K]×1000[kg/m3]×(100℃-15℃)=717000[J]
ということで、717000Jの熱量が必要なことがわかりました。ただし、これはポットから逃げる熱(熱損失)は無視しています。
単位をJ(ジュール)からWh(ワットアワー)に換算すると、1[Wh]=1/3600[J]なので、
717000÷3600=199Wh
になります。ポットからの熱損失を無視すれば、沸騰させるのにだいたい199Whの熱量が必要ということがわかりました。
一回の沸騰の電力消費量が230Whでしたから、電気ポットの効率(出力÷入力)は・・・
199÷230≒0.87
ですね。
保温のときの電力消費量は?
では、保温しているときの電力消費量はどれくらいになるでしょうか?
沸騰開始から4時間経過後の結果がこちら↓(測定日:2011年5月12日)
2時間後からちょこちょこと電力を消費し、保温しているのがわかります。ポット内のお湯が沸騰してから80℃以下に低下するまで、約2時間くらいかかっているようです。ただしこれは比較的暖かい5月の結果なので、寒い冬なら温度が低下するのがもっと早いかもしれません。
保温時の消費電力が70Wで、だいたい2分間隔で保温していました。ポット内のお湯の温度を測っていないので正確にはわかりませんが、ポット内のお湯の温度が下がってきたら、保温ヒーターを動かしていると思われます。
1時間保温したときの電力消費量は約9Whでした。コーヒーメーカーは保温1時間で35Whでしたから、それほど電気くい虫ではありませんね。
やはり電気ポットは沸騰させるときが一番電力を消費します。保温を切ってしまうと、逆に電力を消費してしまうかもしれませんね。
電気ポットの1日の使用状況
では、1日でどれくらいこの電気ポットくんは活躍しているのでしょうか?
24時間測定してみた結果がこちらです↓(測定日:2011年6月3日)
朝とお昼の2回、お湯を沸かしています。夕方以降はずっと保温になり、お湯は沸かしていません。
事務所にいる人数にもよりますが、お湯をお使うのはやはり朝とお昼に集中しているようです。みんながあまりお湯を使わない時間帯は、少な目に沸かすか、保温を切ってしまってもいいかもしれません。
1日の電力消費量の積算値をみると・・・
(測定日:2011年6月3日)
保温時の電力消費量が全体の17%なのに対し、沸騰時の電力消費量は83%にもなりました。やっぱり沸騰のために消費される電力の方が大きいですね。
これから夏になって、電気ポットくんの出番もあまりなくなりそうなので、うまく付き合っていきたいと思います!
(公開日:2011年6月17日)