実績紹介
ZEBを目指した個別分散型空調システムの設計課題に関する調査
業務の概要
ZEB達成に向けた空調システムの設計課題解決
課題と背景
非住宅建築物のZEB達成にはエネルギー消費割合の高い空調の省エネが重要です。
昨今、メーカーの目覚ましい技術開発もあり、建物規模を問わずビル用マルチパッケージ型空調システム(以下ビルマル)の採用例が多くなっています。
竣工後の建物において、ビルマルの運転状況を把握することは難しく、設計者が竣工後にビルマルが設計意図通りに動作しているか確認するのが困難です。
このため、ビルマルの機器性能を最大限発揮する設計法が確立していません。
業務の目的
実態調査に基づく課題の整理、評価モデルを用いた課題の解決策の検討を経て、ビルマルの合理的(在室者の快適性を損なうことなく、より少ないエネルギー消費量で空調する方法)な設計法をまとめたガイドラインの策定を目的とします。
主な調査内容
実態調査から解決策検討まで
実態調査
設備容量と室用途の関係の把握調査
- 調査期間:2018~2020年度
- 対象地域:6地域
- 建物用途:事務所等
- 空調設備:パッケージエアコン(空冷式)
床面積あたりの室外機の定格冷房能力は、200±150 W/m²と400±50 W/m²の2山に分かれ、非常に広い範囲に分布していることが判明
設備容量等に係る設計法の調査
- 対象:16社の空調設備設計実務者
- 方法:ヒアリング調査
| 対象建物 | コンセント発熱 | 照明発熱 |
|---|---|---|
| テナントビル | 18~36W/m2 | 5~20W/m2 |
| 自社ビル | 5~30W/m2 | 10~15W/m2 |
| ZEB建物 | 極限まで小さく | 10W/m2以下 |
解決策の検討
調査成果
ZEB Ready達成のための設計法ガイドライン
個別分散型空調システムの設計法ガイドライン
実態調査に基づく課題の整理、評価モデルを用いた課題の解決策の検討を経て、ビルマルの設計法ガイドラインを作成しました。このガイドラインでは、建物用途は温暖地の事務所、空調設備は冷暖切替型のビルマルを対象としました。
他の気候地域や用途、冷暖房同時型のビルマルでも活用可能
設計ガイドラインで示した、個別分散空調システムのZEB Ready達成のポイントを表2に示します。計画編、設計編、運用編の3部構成になっています。ガイドライン全文は、下記の「報告書閲覧」からダウンロードできます。
個別分散空調システムのZEBReady達成のポイント一覧
計画編
個別分散空調システムのZEBReady達成のポイント一覧
設計編
個別分散空調システムのZEBReady達成のポイント一覧
運用編
報告書・資料
調査成果の詳細資料をダウンロード
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